・すろうじんの自転車生活日記(8)

ひこね自転車生活をすすめる会

2010年06月15日 02:35

5月末に、編集委員をしているシニア向け情報紙(月刊紙)の取材で富山市に行ってきた。

地元のタウン誌企画の取材旅行で、もっぱら富山の観光面をアピールするのが狙いだったが、小生の取材目的はもう一つあった。富山市は環境モデル都市で、とくに最近路面電車や自転車の町づくりに力を入れている。昨年末に、市の中心部を循環する路面電車「セントラム」の運行を始め、今年3月にはレンタサイクルで自由に乗り降りできる「シクロシティ」を日本で初めてスタートさせた。どちらも市街地活性化の一環であり、温室効果ガス削減を目指す一環でもあるのだが、その様子を自分の目で確かめてみたかったのだ。

路面電車の方は、既存の私鉄の路面電車の路線の一部をつない環状化したもので、市の中心部3・5キロほどをぐるぐると回っている。しゃれた車体で窓も大きく、しかも低床型の車両になっている。実際に乗ってみると、なかなか快適であった。JRの駅前、市役所や県庁などの官庁街、中心商店街をつないでいるので確かに便利である。軌道の整備と車両の購入は行政が行い、運行は富山地方鉄道という民間が行っている。

シクロシティの方も、行政が助成金を出して、フランスのパリで同事業をしている会社の子会社・シクロシティが運営している。これも中心部に15ヶ所のステーション(写真)を設け、150台の自転車を配置してはじめた。利用するには今のところは事前登録が必要な会員制のようなシステムで、しかも市街地の中心部だけなので、利用者はビジネスマンや学生というところだが、取材した市役所の職員3人はすべて利用していた。



スタートして2ヶ月で登録者は700人を超えたところで、自転車の台数からすれば、まずまずというところらしい。市街地の中心部だけでなく住宅地域にもステーションをもうければ、利用の幅が広がり、車の利用を減らすことができるのだろうが、これは今後の課題ということらしい。

うらやましく思ったのは道路の広さだ。戦災で市街地の90%以上を焼失した富山市は戦後の都市整備で道路を広くした。それが、路面電車の循環化やシクロシティを可能にしている面もある。こういう町づくりが日本中いたるところでできればいいのだが…。(すろうじん)


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